安けりゃいいってもんじゃない

先日のバレンタインデーの日、現場仕事の帰りに家内に着いて大手安売りスーパーのお店に立ち寄りました。「安いチョコレートを買ってあげる」といわれて78円の板チョコを買ってもらって喜んで店内をウロウロして見ていました。

目に付いてビックリしたのが、あの焼きそばの生麺・生うどんの麺が1袋8円で売っているのです! 物価が今の1/5~1/7くらいであった私が小学生の頃、隣が八百屋だったのでよく覚えていますが、20円くらいだったと思います。

そこに並んでいる生麺はせいぜい30袋くらいでしたが、全部買い占めても240円。今の子供の小遣いでも買い占めることができます。もちろん価格のからくりにはいろいろあることは想像つきますが、その製品を作った工場関係者・その家族の人のことを考えると言葉で言い表せない気持ちになりました。

私は個人事業主なのです。私のやっている仕事は今は民間人がその業務をやっていますが、時代を遡ると 気の利いた市役所・役場職員がやっていました。業務の正確性や技術力、コンプライアンスが求められます。およそ10年くらい前から、資格を保有していて一定要件を満たした業者間で、完全に入札を実施されるようになり、随意契約はなくなりました。

すると、業者の中には極端な人がいて、それまでの相場の1/3~1/4で落札し、地元の公の仕事はほとんどその人がやるようになりました。ですが、そこには絶対に無理があります。場合によっては、新聞に載るようなスキャンダルに繋がるようなことにもなりかねません。地元建設業界では、実際につぶれたり、競合他社がつぶれたりもしました。

私は、今の仕事をやりはじめてもうすぐ25年になります。年々業務をこなすハードルは高くなり、25年前と比べて3倍くらいの手間がかかるようになりました。どの業界でもソフト面で特に同じような傾向があると思います。

極端な話をすれば、学校の先生や公務員を採用するのに、委託契約をして入札にはしないでしょう。(実際には給料の安い委託職員・非常勤教員もいらっしゃいますが)

私は、焼きそばが大好きですが、生麺はひと袋30円以上で売って欲しいと思います。